29.7.15

夏なので、髪を切ってみた

ロンドンは、すでに夏が終わってしまったかのような、ちょっと肌寒いくらいの日が続いていますが、数週間前にびっくりするような夏日が1〜2週間ほど続いたことがありました(哀しいかな、過去の話)。

「夏日」というものを、すっかり忘れて久しい昨今、唐突に襲ってきた熱気にバテバテになってしまい、「ああああっ、背中の髪が暑いっ!!」と癇癪を起こし、髪を切ることにしました。


暑い!といっても、このくらいの長さでした。

とはいうものの、日頃から、人体から発生されるもの、例えば汗とか涙とか、排泄物とか、ジムで運動して生成されるエネルギーとかを、むざむざと無駄にするばかりでなく、ゴミになったり、水に流したり、むしろ自然の役に立たない方向で処理していかざるをえないことに、なにかジレンマを感じていました。

どうせ切るのなら、転んでもタダでは起きない、というか、なにか有効活用できないかと思っていたところに、Facebookで友人が切った髪の毛を日本で寄付したとのこと。さらに別の方が英国でも「リトル・プリンセス・トラスト」という団体が、同じように髪の毛の寄付を募集していることを教えてくれました。

リトル・プリンセス・トラストは、がん治療で髪の毛を失った子どもたちに、ナチュラルヘアで作ったウィッグを提供している団体だそうです。

そこでいつもお世話になっているスタイリストさんにあらかじめメールでご相談したところ、ご協力いただけるとのこと。

17センチ以上の髪の毛を受け付けてくれるとのことでしたので、私の場合、後ろ髪の一部のみですが、あらかじめゴムでブロック分けして結んでから切ってもらいました。

後ろ髪がすっきりしました。もう暑くない(気候も暑くない・涙)

切っていただいた髪の毛をジップつきのビニール袋に入れて、パッド付きの封筒に入れて、送ります。

たいした量ではありませんが、役に立つことを祈って。

2週間ほどたったある日、メールでサティフィケートが届きました。



この話を17歳の姪っ子(カーリーのロングヘア所有)にしたら、「髪の毛を切って人にあげるなんて、信じられない!! 絶対イヤ!」と言われました。私にしてみたら、髪の毛なんて「どうでもいい」とは言いませんが、短かろうが長かろうが、あまり意に介すところではないのですが、年頃の子どもたちにとっては、死活問題にも値するくらい、大切なもののようです。

だからこそ、きっと私のように「意に介さない」にもかかわらずいっぱいある人間から、「死活問題に値する」にもかかわらず不運にも失ってしまった人間に、こうして(ほとんどなんの努力もなく)引き渡せるものが、まだこの世にあるということは、喜ぶべきことなんだろうなぁと思いました。自分がただ生きていることに、ちょこっとでも意味を見いだせる、数少ないもののひとつではないかと。

この夏、髪の毛を切られる方も多いと思いますが、もしもご興味があったら、ぜひ、リトル・プリンセス・トラストのウェブサイトものぞいてみてください。スタイリストさんいわく、こういうリクエストをするお客さんはちょこちょこいるとのこと。いつもお願いしている美容室で、応じてもらえる可能性も高いです。

※追記:
私の友人が日本で寄付した団体は、こちらだそうです。ご参考までに。
http://jhdac.org/


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